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5 in 5: テクノロジーが5年以内に私たちの暮らしを変える5つの方法。

持続可能な材料、持続可能な製品、持続可能な地球

Graphic design of photoresists on top of blue water puddle on green leaf

今日の状況

人類はものを作る生き物です。私たちが製造するものは、私たちの暮らしと仕事を改善し、より安全に、より健康にし、より楽しくすることもできます。

一方で、世界のほぼ80億人の人々のために私たちが生産している膨大な量の幅広い材料や物品が、地球に大きな被害をもたらしていることも明らかです。

これらの材料の多くは私たちが毎日使っている完成品に含まれていますが、これらの品物の製造時にのみ使用されて消費者の目に触れないものもあります。

予測

自動車、医療機器など、半導体チップを搭載したあらゆる製品について考えてみてください。今や、世界に存在するこれらのスマート・デバイスの数は、地球上の人間の数を何十億も上回っています。このため、その製造に関わるすべての化学薬品、材料、プロセスを、可能な限り持続可能なものにすることがきわめて重要です。

Two scientists working in front of computer monitors with wall of computing equipment behind them
今後5年間で私たちは、材料製造を進歩させ、高い需要がある半導体製造メーカーの製品の持続可能性の向上を実現するでしょう。

未来のためのソリューション

半導体トランジスターは長年にわたってますます微細化されており、製造メーカーが1個のチップに詰め込む処理能力がより一層大きくなるにつれ、より小さく、より強力なガジェットが生まれます。この微細化はスケーリングと呼ばれるプロセスで、これを実現するために重要な役割を果たしているものが、フォトレジストと呼ばれる材料です。

IBMは30年以上前に現代のフォトレジストを開発して導入した最初の企業で、それから現在に至るまでチップメーカーはフォトレジストを利用しています。以前にも増して幅広く半導体チップが使用されるようになった現在、チップの製造に使用される材料の効率性、有効性、安全性をさらに高める取り組みを、もう一度IBMが先導しています。

Man holding a cell phone and standing in front of a table covered in parts

IBM Researchでの開発

加速された発見サイクルにより、科学者はフォトレジストの化学物質と材料に関する既知の情報を特許や公開文献から集約し、分析できるようになります。この知識の活用によって、従来型のハイパフォーマンス・コンピューティング・システム、また将来は量子コンピューターで、さらに高度なモデリングを実行できます。組み合わされた結果を使用してAIモデルが構築され、効率性と環境に関する具体的な目標を満たす新しい種類の化合物が自動的に提案され、これらの中で最も有望なものをロボット・システムによる実験で検証できます。このシステムは、人間による介入をほとんど必要とせずに、これらの分子候補を合成できます。

この作業は簡単にはできません。材料科学と化学は最も難しい部類の研究分野で、半導体製造に使用される材料は複雑であり、非常に限定された方法で多くの成分を相互作用させる必要があります。従来型の試行錯誤方式で化合物と材料の正しい組み合わせを探すのは、時間と費用がかかりすぎて現実的ではありません。

この理由から、今後5年間で科学者は、材料設計に新しいアプローチを採用するようになり、テクノロジー業界では、半導体と電子デバイスを生産するための持続可能な材料をより迅速に開発できるようになるでしょう。この研究の成果によってほかの製造メーカーも、より高い性能を備えながら、より安全で環境に優しい材料を開発して、あらゆる種類の製品の製造に利用できるようになるでしょう。

Two female lab workers in blue coveralls and rubber gloves looking at a computer monitor