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5 in 5: テクノロジーが5年以内に私たちの暮らしを変える5つの方法。
世界の見直しを迫られる前にバッテリーを再考する

今日の状況
世界人口が増加し、発展途上国の生活水準が向上し続けるにつれて、世界のエネルギー使用量が2050年には50パーセントも急上昇する見込みで、その増加を引き起こす大きな要因となるのが産業と運輸の部門です1。
環境に有害な二酸化炭素の大気への排出量を増やさずにこの需要を満たすには、太陽光、風力、水力など、炭素を排出しない再生可能エネルギーを全面的に活用するしかありません。
予測
多くの再生可能エネルギー源は間欠的です。太陽光発電のための日光は、もちろん昼間にしか利用できません。風力は天気に依存します。このため、再生可能エネルギーを確実に使用するには、エネルギーを貯蔵する能力が必要です。現在のところ、世界で貯蔵できる電気は、全世界で生産される電気の約3パーセントに過ぎません2。電気自動車市場の成長も、より安価で、より安全で、より強力なバッテリーが利用できるかどうかにかかっています。要するに、世界にはより良いバッテリーが必要なのです。

今後5年間で私たちは、再生可能資源に基づくエネルギー・グリッドと持続可能性の高い輸送を支えることができる、より安全で環境に優しいバッテリーを実現する新材料を発見するでしょう。
未来のためのソリューション
軽量で効率的なリチウムイオン(Li-ion)バッテリーは、エネルギーの貯蔵に関しては現在でも最強です。しかし、Li-ionバッテリーにはコバルトとニッケルの使用が必要で、その採掘と生産は環境と健康に懸念をもたらし、供給量は減少中で、バッテリーの廃棄が適切に行われなければ環境に有害です。さらに、コバルトの主な産地はコンゴ民主共和国で、この国に関しては人権団体が不法採掘、汚職、児童労働に関する懸念を長年にわたって提起しています。
研究者は現在、コバルト含有量の比較的少ないLi-ionの試作品と、Li-ionバッテリーの安全性を改善するための不燃性液体や固体電解質を開発中です。一方、Li-ionバッテリーの先を見据えるIBMは、AIと量子コンピューティングが、エネルギー貯蔵の問題に対する新しいソリューションを見つけるために役立つと確信しています。

IBM Researchでの開発
加速された発見サイクルを科学者が利用して、より安全で、より効率の良い材料を見つけることで、バッテリーの性能が向上します。今年の初めにIBMの研究者は、コバルトとニッケルを含有しない、ヨウ素系の陽極を使うバッテリーを開発しました。研究者によれば、このバッテリーは従来型のLi-ionバッテリーと比べて高いパワー密度を持ち、可燃性が低く、はるかに短時間で充電できると考えられています。
量子コンピューティングの利用は、次世代テクノロジーの改良のためにきわめて重要になり、例えばリチウムイオンよりも強力で寿命が長く、安価に製造できるリチウム硫黄バッテリーなどの開発に役立つでしょう。次の目標は、AIで正しい分子の候補を予測して、研究者が最良のオプションをラボで検証できるようにすることです。
今後5年間に、新材料の発見プロセスの加速がAIと量子コンピューティングによって可能になり、地球の温度をさらに上昇させることなく世界規模で増加する電気の需要を満たす、改良されたバッテリーが生み出されるでしょう。
